【宇和島市の防災意識】
南海トラフ地震と土砂災害のリスク西日本豪雨で防災意識が益々高まった
― 宇和島市の概要を教えてください。
宇和島市は四国の西南部に位置しており、有人の離島が４島あります。市全体が南海トラフの想定震源域に入っているため、真下が震源地になる可能性もありますし、津波の被害も心配されています。また、山と海が密着していて平野部の少ないリアス式海岸特有の地形で、土砂災害の危険箇所が非常に多い土地でもあります。以前から地震に対する危機意識はあったのですが、甚大な被害（※）のあった平成30 年７月の西日本豪雨以降、土砂災害に対する意識も高まっています。
※ 宇和島市吉田町では土砂崩れ2,271 箇所と被害が集中。関連死を含め13 人が死亡）
― 市内の自治組織や防災体制はどのように。
自治会が508、自主防災組織が418 あります。西日本豪雨で甚大な被害を受けた地域の二次災害防止に、避難情報を１段階早めに発令するようにする等、制度も大きく変わりました。みかん園地の大規模な再編復旧も始まっています。システム面に関しては、県による水位計の設置が行われ、市では雨量計や監視カメラ等の準備をしているほか、コミュニティFM を活用した防災ラジオの普及も進めています。
―周辺自治体との連携状況はいかがですか。
愛媛県と高知県にまたがる四国西南地区で協定を結んでいるほか、愛媛県内の20 市町でも相互の応援協定があります。県内の遠い市町とつながって、有事に支援する取り決めをしているのです。先の西日本豪雨の際も、愛媛県の東部に位置する新居浜市から多くの職員が来てくれました。また、北海道の当別町、宮城県の仙台市や大崎市といった姉妹都市からも、支援物資や職員派遣等様々な支援をしていただきました。南海トラフ地震を想定して元々の防災意識が高かったこともあり、これらの協定は西日本豪雨の前からありました。新居浜市は平成17 ～ 18 年頃に土砂災害を経験していたので、対処方法をレクチャーしていただき、大変勉強になりました。有事に助け合うことで、実質的な支援に加えて、互いの防災意識や経験値も高めることができると実感しています。
（取材日／2019 年9 月6 日）
愛媛県宇和島市
〒798-8601 愛媛県宇和島市曙町1 番地
TEL ／ 0895-24-1111
URL ／ https://www.city.uwajima.ehime.jp/
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