~加速するDX化~ EDAC監修の遠隔情報共有システム「HecーEye(ヘックアイ)」活用セミナー実施

~加速するDX化~ 

EDAC監修の遠隔情報共有システム「HecーEye(ヘックアイ)」活用セミナー実施

 

EDACでは、「救える命を救える社会の実現」を使命とし、救急医療や災害対応分野、地域づくりや地域活性といった地方創生分野において、最先端のテクノロジーを人を救うために活用しています。

 

近年、人口減少・少子高齢化によって労働者人口の不足が深刻な問題となっており、人手不足を補うためにもDX化はますます加速しています。

 

 

 

しかし、防災の分野だけを見ても、災害は年々増加し甚大化しています。労働者の不足はそのまま防災の担い手の不足に繋がりますが、人口が減少しても、国の面積は変わりません。そのため、防災だけでなく、自治体職員への負荷は年々高まっています。その多くは現場で取得した情報の集約と活用に多くの手間がかかることも、原因の一つと言われています。

 

作業や確認が伴う多くの現場では、現地に行き、調査、確認、情報更新、整理、解析、報告などの業務が発生します。報告を上げて追加調査が発生すると、再び現場に行き、調査、確認…と、書いているだけで気が遠くなりそうです。そして膨大な書類が発生し管理する業務があります。人材の不足をカバーするためにも、DX化によって手間を削減することが期待されています。

 

EDAC監修の遠隔情報共有システム「HecーEye(ヘックアイ)」は、業務にかかる手間を圧倒的に削減します。これまでに133件の活用実績があり、自治体をはじめとする現場に合わせて、さらに使いやすさを追求し進化しています。

 

これから導入を検討されている、または導入済の自治体様に向けて、「HecーEye」の活用セミナーは、開発会社である株式会社リアルグローブ(東京都千代田区)や代理店を通じて各地で開催されています。

 

今回は、東海地区と九州地区において、すでに導入済みの自治体と、これから導入を検討されている自治体で開催されたセミナーについてご紹介いたします。

 

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~デジタル田園都市国家構想の実例紹介_第5回~ 地域づくり支援プラットフォームを活用した双方向防災事業のため、全世帯にタブレット配布! 人口約530人の村が取り組むデジタル化

~デジタル田園都市国家構想の実例紹介_第5回~

地域づくり支援プラットフォームを活用した双方向防災事業のため、全世帯にタブレット配布! 人口約530人の村が取り組むデジタル化

 

 丹波山村は、山梨県の北東部県境、北都留郡の北西端に位置し、多摩川の源流、丹波川と雲取山、飛龍山、大菩薩嶺など険しい山々に囲まれた自然が豊かで、人口は約530人の村です。秩父山地を境に埼玉県や東京都と接し、南は妙見鹿倉尾根を境に小菅村、西は大菩薩嶺を境に甲州市に接しています。いずれも標高1,000 m~2,000 m級の急峻な山であり、村の面積の約98%が森林です。その地形故に電波状況も決して良好とは言えない中でデジタル化に取り組む丹波山村役場・総務課地方創生推進室の舩木様にお話しを伺いました。

 

◎ 丹波山村役場・総務課 地方創生推進室 舩木様 ◎

 入庁以来総務課に所属して防災担等も経験し、現在は地域活性化に繋がる事業を中心に取り組む地方創生推進室にて、デジタル田園都市国家構想の申請を担当。防災システムの構築や更新をはじめ、村民のサポート等も含めデジタル化への移行に向けて日々取り組んでいる。

 

※「丹波山村風景」(画像提供:丹波山村)

 

村の面積の約98%が森林。急峻な山に囲まれた豊かな自然と災害警戒区域指定の地形

 

― まず、丹波山村(たばやまむら)の地理的な概要や地形の特徴などについて教えてください。

 丹波山村の位置ですが、山梨県の北東部に位置しており、東側が東京都の奥多摩町、北側が埼玉県の秩父市で、東京と埼玉との三角点に位置しています。人口は約530人ほどの小さな村で、関東地方(離島を除く)では人口が一番少ない自治体です。人口の約8割が「丹波地区」という場所に集中しており、他は数軒しかない地区や一軒家が点在しているという状況です。

 地形的な特徴ですが、面積の約98%が森林で、非常に急峻な山に囲まれている自治体です。そのため、一部に土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)がありますが、多くは土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)に指定されています。大雨や台風時には落石や土砂崩落が心配され、一定の雨量(連続雨量・80mm)で村の中央を通る国道(411号)が通行止めになります。

 

 

― 孤立しやすい地形ということでしょうか。

 いわゆる『陸の孤島』になりやすい地形です。急峻な山に囲まれた地形による災害の心配もありますが、豊かな自然は観光資源でもあります。

 

 

― サービス業の比率が高いのは観光でしょうか。

 おっしゃる通り観光業です。丹波山村は関東平野の裾野で東京方面に土地が開けていますし、比較的東京方面からのアクセスが良いため、来村されるほとんどの方が東京や神奈川方面からのお客様です。通過型観光がメインですが、県指定天然記念物の青岩鍾乳洞、キャンプ村、村営のつり場等、豊かな自然だからこその観光スポットも数多くあります。

 

 

 

山間地域特有の電波不感地帯にも対応できるシステムを選択!

 

― 今回、デジタル田園都市国家構想で申請された「地域づくり支援プラットフォームを活用した双方向防災事業」の経緯について教えてください。

 デジタル田園都市国家構想の申請の前に、令和3年度になりますが、総務省の「過疎地域持続的発展事業」という交付金の募集があり、採択されました。これはICT等技術の活用などによる地域課題に対応するためのソフト事業を行う過疎地域持続的発展支援事業(持続的発展支援事業)をはじめ、過疎地域の持続的発展を支援することを目的とした交付金です。タブレットを用いて地域の効率化をはかるという内容で申請して実証を始めたのですが、その時は全世帯にタブレットの配布ができる予算ではありませんでした。 改めて、令和4年度のデジタル田園都市国家構想の交付金を活用して、2023年2月に自治体の全世帯にタブレットの無償貸与が完了しました。

 

 

― 全世帯に配布するのは、思い切った決断ですね。

 この全世帯に配布する背景の一つに、防災無線の存在があります。平成20年代になり、アナログ防災無線からデジタル防災無線への移行を求められるようになりました。現在、丹波山村ではアナログの防災無線を使用しており、防災無線の戸別受信機を各戸に配布しています。防災無線をデジタル化する際に戸別受信機を廃止して、今後は屋外のスピーカーやサイレンで緊急情報を放送するだけという訳にもいきません。先ほどもお話ししましたが、丹波山村は急峻な山に囲まれているという地形もありますし、季節によっても電波が受信できないという事情があります。

 

 

― 季節によって受信状況が変わるのですか?

 葉が生い茂っているかどうかでも、電波の受信状況は変わってきます。電波について詳しくはないのですが「0」「1」の世界らしく、少しだけ入るとかではないようです。防災無線の情報は命にかかわることですから、防災無線が届かない状況にならないようにしなければなりません。複数の試験を行った結果、携帯電話の電波は人が住んでいる地域に基本的に入りますので、タブレット端末で防災情報も受信が可能となりました。

 デジタル田園都市国家構想の申請内容からは逸脱しましたが、今回の交付金によって全世帯に配布したタブレットが、いわゆるアナログ防災無線の戸別受信機の代用にもなりますので、防災無線も同じタイミングでデジタル化へ移行することになりました。

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~デジタル田園都市国家構想の実例紹介_第4回~ 発災時の安全性・安心の確保と、平時の利便性を向上させるスマートロック活用とは

~デジタル田園都市国家構想の実例紹介_第4回~

発災時の安全性・安心の確保と、平時の利便性を向上させるスマートロック活用とは

 

静岡県のほぼ中央に位置する藤枝市は、人口約14万人の自然豊かな都市です。東京から藤枝駅へは新幹線を乗り継いで約1時間半、市中心部へは東名・新東名の両ICから車で約15分、富士山静岡空港から車で約30分と交通の利便性も高く、県の中核都市として発展しています。

「藤枝」の名に示されている藤は、市の花に指定されています。市の中心部にある蓮華寺池公園には全長500メートルもの藤棚をつくる約250本の藤があり、藤の咲く季節には「藤まつり」というイベントを開催しています。

 

※藤枝市・藤の花イメージ画像です。

 

南海トラフ巨大地震の被害が想定される藤枝市は、防災対策に力を入れていましたが、2022年の豪雨災害において、避難所の解錠における問題に直面しました。そのためデジタル田園都市国家構想(以下、デジ田)においてはその問題を解決すべく「防災拠点開設と施設貸出へのスマートロック活用」の内容で申請しました。今回は申請に尽力した3名の方にお話しを伺いました。

 

総務部 危機管理センター 大規模災害対策課 主幹兼危機政策担当係長 岡本幸太 様

企画創生部 情報デジタル推進課 主幹兼スマートシティ推進係長 齋藤栄一郎 様

スポーツ文化観光部 スポーツ振興課 スポーツ施設係長 小崎裕美 様

 

 

【発災時、住民の安全のために、避難所の早期開設における物理的な鍵の問題点】

 

― 今回「防災拠点開設と施設貸出へのスマートロック活用」でデジ田の申請をされましたが、申請に至った経緯を教えていただけますか。

静岡県は南海トラフ巨大地震をはじめ以前から地震に備えていたこともあり、藤枝市も防災意識は高いと思います。水害についてはインフラの整備が進んでいる中で、安全性の面がかなり高まっていましたので、そこまで緊急性をもって考えていなかったということもありました。藤枝市の3分の2近くは中山間地区で山を抱えていますので、土砂崩れのような被害が無い訳ではありませんが、住家への被害が100件を超えるような災害は長い間ありませんでした。

 

しかし、2022年9月の台風15号に伴う記録的豪雨災害によって、県内で初めて線状降水帯が発生しました。気象予報にもなかった1時間に100ミリを超える豪雨が降り、本流に入る前の支流河川に大量の雨水が一気に集まり、想定外の水量に対応しきれない地区がありました。

その時に避難所を開設したのですが、鍵を管理している担当者がいきなりの豪雨のため、すぐに避難所に来ることができず、解錠に思いのほか時間を要してしまった場所がありました。そこを改善したいということが、防災面でありました。

 

 

― 鍵を持っている方が、被災してしまう可能性も考えられるということですね。

実際に災害がおこった場合に避難所や地域の拠点になる施設は、市内の小中学校の体育館(小学校が17校、中学校が10校、合計27校)、各地区(市内10地区)にある交流センター(以前でいう公民館)等になります。交流センター勤務の職員も含め、鍵を管理する担当者全てをその地区に住む職員だけに割り当てることはできません。ですからすぐに該当する施設に担当者が来られないことも当然想定されるという中で、市職員のいずれかがその場に着いた時に施設を開けることができないか、というところがありました。

避難所の開設が早いということは市民の皆さまの安全にも直結するので、最初に着いた職員が解錠できるということは非常に大切になってきます。

 

 

― 実は、スポーツのご担当者様がいらっしゃることが気になっています。

実は防災面だけでなく、通常の施設利用にも改善の余地がありました。小中学校の体育館やグラウンドは、スポーツの利用で一般市民にも貸出されています。そちらも一般的な鍵で解錠して中に入るのですが、各地区に管理人の方がいらっしゃいまして、予約に応じてその方のところに鍵を取りに行き、終わったらまた鍵を返しに行く体制をとっております。その管理人のなり手がいなくなってきているという課題があります。

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~防災のDX化実例紹介~  地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり ~第3回~

~防災のDX化実例紹介~ 

地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり

第3回 熊本県令和2年7月豪雨 中山間地域の南小国町で43箇所の通報の情報集約が1日半で完了した方法とは!

 

 

「日常使いである程度ドローンに慣れ、日頃から役立って、結果、災害時にも使えるのが理想」として、南小国町と締結した「ドローンを活用したまちづくり」協定。防災訓練の翌年におきた「令和2年7豪雨災害」では、調査の手伝いを申し出たところ、職員の方だけで情報集約ができてしまうので「手伝いは大丈夫です」とのお返事をいただきました。想定以上の成果に嬉しさを覚えたと同時に、自分を役立てることができずに少々寂しさを感じたりもしたそうです。

「地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり」最終回では、南小国町で実際に行った防災訓練についてお伝えします。

 

◎ 一般社団法人EDAC 理事長 稲田悠樹 ◎

熊本県在住。2015年ドローンの会社を設立。2016年熊本地震、2020年熊本で豪雨災害を体験。ドローンを使った災害調査に参加した経験を活かし、遠隔情報共有システム「Hec-Eye(ヘックアイ)」を監修。自治体を中心に、平時からドローンの活用を提唱する。ドローン関連書籍の執筆多数、NHKにっぽん百名山をはじめTV番組制作参加、企業のPR映像など、ドローン関連システム企画、監修およびテストパイロットと活動は多岐に渡る。

 

《熊本県南小国町》

南小国町は九州の中央部、熊本県の東北部に位置しています。総面積85%が山林原野で占められる中山間地区であり、緑と水のきれいな観光と農林業を主産業とする人口約4,000人の純農村です。ドローン導入を機に、町内6箇所の好きな場所でドローンを飛ばしながら観光もできる観光誘致を目的とした「ドローン手形」を発行。ドローンを平時から活用し、災害時に役立てています。

 

 

 

訓練がそのまま災害時に役に立った防災訓練とは

 

― 今までのやり方に新しいことを追加する防災訓練

 

災害時の情報のとりまとめは、基本的にはホワイトボードに記載される場合が多いと思います。新しいことを取り入れる際にやりがちなのが、そのホワイトボードをなくして、システムだけで運用しようとすることです。よくあるパターンですが、それですと現場サイドは非常に混乱するのが目に見えていますので、日頃のやり方はそのままでいいです、とお伝えしています。

 

ホワイトボードに通報情報を記載
ホワイトボードに通報された情報を記入

 

そして、別途、集まってくる情報を入力する人員を一人用意していただきました。お一人だけ入力係として待機していただき、他の方は今まで通りにやってください、というやり方で進めています。

 

 

地図上に情報を入力

 

― システムの運用は、いつ、誰が見ても「わかりやすい」ことが大切

 

南小国町がドローンを導入した時に、地図上にドローンやスマホの情報を貼ることができる遠隔情報共有システム「Hec-Eye(ヘックアイ)」も採用していただきました。このシステムは仕様として機能はいろいろありますが、現場で使いやすいように設定できることがポイントだと思います。通報は赤い色のピン、現場に出動した場合は黄色、完了は青色にしましょう、という非常にわかりやすい設定にしました。

 

システムは誰が見てもわかりやすく運用

 

 

そうすることで、行った場所、行ってない場所が明確にわかるようになります。

システムの機能としては多くの色がありますが、簡単で誰が見てもわかりやすい使い方を決めることが大切だと思います。

 

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~防災のDX化実例紹介~ 地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり 第2回

~防災のDX化実例紹介~ 

地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり

第2回 災害協定ではなく、ドローンによるまちづくり協定の意味

 

熊本地震の経験から、災害時にドローンをより有効的に活用するため、遠隔情報共有システム「Hec-Eye(ヘックアイ)」を設計・監修。一般社団法人EDACの理事長として数々の自治体の防災訓練で実証・実装をおこなってきました。

「地方にドローンを根付かせ、災害にも役立てる仕組みづくり」の第2回は、「平時にドローンを活用し、有事にも役立たせる」ことを目的に委託事業をおこなっている熊本県南小国町の事例をご紹介します。

 

 

◎ 一般社団法人EDAC 理事長 稲田悠樹 ◎

熊本県在住。2015年ドローンの会社を設立。2016年熊本地震、2020年熊本で豪雨災害を体験。ドローンを使った災害調査に参加した経験を活かし、自治体を中心に平時からドローンの活用を提唱する。ドローン関連書籍の執筆多数、NHKにっぽん百名山をはじめTV番組制作参加、企業のPR映像など、ドローン関連システム企画、監修およびテストパイロットと活動は多岐に渡る。

 

 

《熊本県南小国町》

南小国町は九州の中央部、熊本県の東北部に位置しています。総面積85%が山林原野で占められる中山間地区であり、緑と水のきれいな観光と農林業を主産業とする人口約4,000人の純農村です。

観光地としては、黒川温泉などの温泉地や「熊本緑の百景」第1位に選ばれた瀬の本高原などがあります。2023年には世界最大級の宿泊予約サイトBooking.comの「Traveller Review Awards 2023」にて日本で「最も居心地の良い場所」第1位にも選ばれています。

 

 

 

南小国町で、豪雨災害の際に実用されたドローンとシステムはどのように導入されたのか

 

― 災害時のドローン協定ではなく、なぜ「まちづくり」なのか?

 

南小国町から「災害時にドローンを活用したい」というお話しを頂いたのは、2016年の末頃でした。お互いに熊本地震を経験しておりましたので、「災害時に、急に新しいことはできない」という共通の認識がありました。

 

日頃、ドローンを操縦していない方が、例えば年2〜3回の防災訓練の時にだけ操作して、混乱する有事の際に果たして使いこなせるのだろうか、コスト的にもどうなのか、ということです。ですから日常使いである程度慣れ、日頃から役立っていて、結果、災害時にも使えるのが理想として、一般的な災害協定ではなく「ドローンを活用したまちづくり」という全般の協定にした経緯があります。

 

その結果、令和2年7豪雨の時には自治体の方だけで、43箇所の通報が1日半で状況の集約が完了したという成果がありました。

 

 

― 新しいことを取り入れる場合の成功法則

 

私の経験に基づいた個人的な考えではありますが、ドローンだけでなくいろいろなシステムも含めて、新しいことをやろうとした場合に失敗するパターンは「今までのやり方を丸っと変える」「いきなり全部をひっくり返す」ことです。もちろん上手くいく場合もありますが、厳しいパターンが多いなと感じています。

 

上手くいくパターンとしては、チェンジ(変える)ではなくアド(追加する)ですね。追加して時間をかけて少しずつ理想とする形に移行していく、段階を設計するというのが非常に重要かなと感じています。

 

たとえ話ですが、今、多くの方がスマートフォンを使っていらっしゃると思います。今のメモには写真や音声が貼付できたり文字の太さを変えたりと、他にも多くの機能があります。ですが、スマートフォンが出たての頃は、文字を打ち込むだけの機能しかなく、その後少しずつ機能が増えていったので、今のいろいろな機能が付いているメモが使えるという状況だと思います。最初からいきなり今の機能のメモを渡されても、どこの何を押したらいいかわからない、という状況に陥ると思うんですね。

 

つまり新しいことを取り入れる場合、最終的なビジョンは決めておきますが、最初は簡単にしておいて、慣れた頃に徐々に機能を増やしていくというのが大事だと思っています。

 

 

鳥獣害対策が、災害時に役立つ? 南小国町のドローン導入事例

 

― 南小国町の場合、実際どのようにドローンを導入していったのか

 

南小国町にドローンを導入した2017年頃は、ドローンを見たことが無い方がほとんどで、不安を持っていらっしゃる方が非常に多かった時期です。

 

新しいことをやろうとした時、今回は「まちづくり協定」ですから、町の皆さんを巻き込んで全体に普及させていく活動になります。その時に大切なのは、住まわれている方々の空気感。多くの場合は「知らない・わからない」から不安になると感じます。

ですから、平時から南小国町の方々に「ドローンとの接点を増やす」ことをやっています。レベルは問わずに、とにかく回数ですね。まずは見ていただく、触っていただくところから始めました。

 

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