消防防災体制を強化、都市部でのドローン利活用を推進していく

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名古屋市消防局消防部消防課計画係消防司令補上地智樹

現場のニーズもあり、消防庁は消防防災分野におけるドローンの利活用を推奨している。しかしながら、市街地における活用は難しい一面もあるが、実際はどうなのか。人口約230万人を有する名古屋市における、名古屋市消防局での活用事例を紹介する。

【ドローン導入について】

消防局で検証運用後、消防署にも展開

－ドローン導入のきっかけを教えてください。

災害現場においては、迅速な状況確認や、その際の情報をリアルタイムに共有することは重要です。名古屋市消防局においても情報収集能力の向上を図るため、平成31年3月にMATRICE200を導入、消防局消防部消防課によるドローンの検証運用を開始しました。検証運用の結果、警防本部や現場指揮本部へ効果的な災害状況の情報提供が可能だと有用性が認められました。これを受け、消防署においても災害現場でのドローンによる情報収集、操縦者の養成、訓練の実施及び付随する各種事務処理を独自で担うことが可能かを判断するため、令和2年10月から名東消防署で検証運用を開始しています。

－導入時の工夫は。

安全に運用できる体制づくりを基本に、他消防本部でのドローンの保有状況、操縦者の教養体制、機体の維持管理、事故時の補償体制、事故事例及び活用実績を調査し、導入に適した機体の選定、導入後の運用体制、操縦者の養成及びランニングコストに反映することに留意しました。

－総務省消防庁から貸与されているドローンの運用も行っていると伺いました。

平成30年度に緊急消防援助隊用の情報収集用資機材としてMATRICE210が無償貸与されました。赤外線カメラを有している当機を有効活用するため、令和元年4月から検証運用に当機を用いて災害現場での情報収集を行っています。
現在は緊急消防援助隊でのドローンの派遣要請があった場合でも対応できる体制をとりながら、名東消防署に配置して運用しています。

（取材日／2021年2月末日）

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