【揖斐川町と“いびがわマラソン”】
「 おもてなし精神」によって実現されたいびがわマラソンの再生と発展
―揖斐川町の概要や地域の課題をお聞かせください。
揖斐川町は2005年に１町５村が合併して新しくできた町で、町内の90％以上を山林が占めています。大きな課題は人口減少と財政難の問題です。少子高齢化が進み、合併当初は２万3,000人ほどいた人口が今は２万1,000人ほどになり、予算も30 ～ 40億円ほど少なくなっています。町内に日本一の貯水量を誇る徳山ダムがありますが、電力の自由化等によって思いのほか税収が伸びず、ダムを見に来る観光客の呼び込みも難航しています。
―課題解決に向けて実施していることは。
移住・定住を促進するための運動、豊富な自然という観光資源や河川を利用したアウトドアスポーツ等を上手く融合しながらの観光政策を模索しています。インバウンドも視野に入れていますが、全体的にまだ方向性が定まっていない印象はあります。そのなかで「いびがわマラソン」は長年続けてきて、2018年11月に31回目を迎えました。
―いびがわマラソンの歴史を教えてください。
マラソンブームに乗って順調だった最初の10回くらいは、特にPRをしなくても約１万人の参加者が集まっていました。しかしその後10年ほどは苦境の時代で、参加者が5,000人まで落ち込んだこともあります。人を集めるために、地域の応援や豊富なエイドステーション（水分や食べ物を補給できるようコースの途中に設けた施設）といった「おもてなし」を提供することで、ここ数年はどうにか巻き返しています。また、岐阜県出身の高橋尚子さんの活躍も後押しになっていたり、2005年の町村合併によって予算や職員の体制にゆとりができたりしたことが大きかったですね。人気の高まりとともに企業の協賛も増え、経費をあとで補填できるまでになりました。今では1,000人規模のボランティアの方々の協力も得て、町の一大イベントになっています。
（取材日／2019 年３月６日）
揖斐川町役場
〒501-0692 岐阜県揖斐郡揖斐川町三輪133番地
TEL ／ 0585-22-2111
URL ／ https://www.town.ibigawa.lg.jp/
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