【地域課題】
人口減少、物流、インフラ離島ならではの課題と危機感
―濵本様のご経歴を教えてください。
以前は東京のマーケットリサーチ会社で働いていたのですが、スローな環境で子どもとの生活を大切にできたらと考え、2018 年2 月に地域おこし協力隊として五島市に移住してきました。五島を選んだ理由は、父方と母方の祖父が五島の生まれであることを知り、2 年前に初めて訪れた際、土地と人に惚れ込んだこと。また、元々趣味でドローンを飛ばしていたので、ドローン事業での公募だったことも決め手になりましたね。
―五島市の特徴や課題について、どのようにお感じになっていますか。
五島市は本土で一番近い長崎県からも100km西に離れており、福江島を中心本島として11 の有人島から成り立っています。定期船がある場所では1 日1 回くらい船が出るので移動や物の輸送ができますが、九州本土と直接つながっているのは福江島と奈留島だけです。
課題はいろいろあるのですが、最も深刻なのは急激な人口減少。1960 年には9 万人だった人口が、2019 年は3 万7 千人を切りました。人口が減ると活気がなくなって市場が小さくなるし、労働力も減ってしまうので、観光面に加えて移住・定住対策に力を入れています。
―離島ならではの課題や、災害・防災面ではいかがですか。
離島間の交通はもちろん、福江島以外は山が多く島のなかでも集落が点在しているため、それぞれの島内の交通・インフラ整備も課題です。人口が減るほど高齢者の比率が高くなり、車の運転ができない人が増えてきます。市で訪問販売や移動販売を支援していますが、移動できなくなると住民同士がコミュニケーションを取りづらくなるのも心配ですね。
災害・防災面では、地震こそほとんど経験したことがない地域ですが、近年は集中的な豪雨が増えているのが気がかりです。今年7 月の豪雨では土砂崩れがおこり、交通が遮断されてしまいました。雨による災害には今後も警戒していかなければなりません。
（取材日／2019 年12 月2 日）
長崎県五島市 地域振興部 商工雇用政策課
〒853-8501 長崎県五島市福江町１番１号
TEL ／ 0959-72-7862
URL ／ https://www.city.goto.nagasaki.jp/
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