“一か八か”ではなく確かな情報をもとに判断を下す大和市消防本部の挑戦

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大和市消防本部警防課主幹兼警防係長消防司令大内一範　施設係長消防司令補小林裕之

大和市消防本部は、ドローン13 機保有・ほぼ全隊員が操縦可能という驚きの運用体制を誇る。市内の大部分がDID 地区・近隣に航空基地という厳しい地理的条件にありながら、急速にドローンの導入が進んだ背景、パイロット育成のノウハウ、活用から得られた成果とは─。

【地域の概要と防災】
約24万人が居住する大和市防災分野の懸念は「火災」

―大和市の概要を教えてください。

小林　神奈川県のほぼ中央に位置する自治体で、面積は約27.09 平方キロメートルと小さな市ですが、人口は約24 万人にのぼります。都心につながる３つの鉄道が東西南北に走り、市内には８つの駅があるので、地域の大部分が駅から徒歩15分以内の圏内です。道路網も複数の国道が市内をめぐり、東名高速道路のIC も近いので、交通の利便性には恵まれていますね。

―防災面で危惧される内容と対策は。

大内　起伏がほとんどない土地ですから、豪雨による土砂災害などは今のところ小規模に留まっています。海から若干離れていて活断層なども確認されていないので、地震や津波の心配も比較的少ない地域といえるでしょう。
ただ、何らかの大規模災害が起きた際には、火災による甚大な被害が懸念されます。火災が同時多発した場合、消防車や消防隊員の数に限りがあるなかで市民の命や財産を守るためには、自助・共助を強化する必要があります。そこで大和市では、万が一すぐに消防が出動できないときでも市民の方々の手で延焼防止活動を行っていただけるよう、市内各地の消火栓を活用した「スタンドパイプ消火資機材」を設置。消火栓や消火資機材の位置は、市民も含めて大和市全体で活用している「大和SOS アプリ」内の地図に載せていて、この地図はオフライン上でも閲覧できる仕様になっています。

―市との連携について。

大内　有事に連携して対応できるよう、市の危機管理課と消防本部が合同で訓練を実施するなど、常日頃から情報共有ができる環境づくりに努めています。また、危機管理課が導入している防災情報システムを通じて、画像や映像で災害現場の状況を共有するために、各部隊にスマートフォンやタブレットの配備も進めているところです。

（取材日／2021 年10 月１日）

▶大和市消防本部
〒514-8570
神奈川県大和市深見西4-4-6
TEL ：046-261-1119
URL： http://www.city.yamato.lg.jp/web/s-soumu/ s-soumu0002.html

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