【美郷町の課題とドローン活用】
ドローンや空飛ぶ車が町を救う協議会を設立して利活用を推進
―美郷町の概要と地域課題を教えてください。
島根県の中央にある町で、高齢化率が40％台後半、人口もどんどん減って今は約4,350 人です。大部分が山で、主要な道路は町の真ん中を流れる江の川沿いに集中していますが、支流のほうにも集落が点在していて、主流から離れるほど暮らしが不便になってしまいますね。唯一町内を通っていたJR 三江線が2018 年３月で廃線になってしまい、半日～１日がかりで遠方の医療機関に通う町民も少なくありません。数年前の町民アンケートでは買い物への困り感も如実に表れていました。
公共交通だけではなく、店や商業施設自体が減っていることも課題です。
―町としての施策は。
高齢化で免許証を返納する方も増えていますので（３年間で100 人以上）、買い物や病院への移動支援をするために、定額バス（距離にかかわらず町内200 円）や無料バス（月１回）の運行、
タクシー利用助成等を行っているほか、情報・未来技術戦略課ではオンライン診療の取り組みも進めています。当課は2021 年度から新しくできた部署で、情報部門として庁舎内のPC まわりや町内全域に整備している光ケーブルの管理・ＤＸ推進などを担当し、未来技術部門としてはICT やドローン等の最先端技術を使って地域課題の解決を目指しています。
―ドローン活用推進の契機と経緯について。
現職の嘉戸町長が、地域課題の解決や地域産業の活性化にドローンや空飛ぶ車が必ず役立つと考えていたのです。2018 年11 月の就任後に活用方法を模索するよう指示があり、翌2019 年２月に美郷町ドローン利活用推進協議会が設立されました。農業・林業・商工・防災という４つの部会を設け、各分野で検討を重ねて利活用を協議しているほか、全体ではドローンの現況や関連法についての勉強会等も行っています。
法的な規制の問題で思うように進められていない実情もありますが、町内の２地域で農薬散布ドローンが使われているほか、役場の保有機体を災害現場の撮影等に活用しています。また、2021年度は島根県や江の川下流域林業活性化センターと協力して林業分野（苗木の運搬）での活用について実証を行った他、橋梁点検での活用など、既に実用化されている分野の横展開などについても検証を行っています。（物流実証は2020 年度）
（取材日／2022 年２月24 日）
▶島根県美郷町役場 情報・未来技術戦略課
〒699-4692 島根県邑智郡美郷町粕渕168 番地
TEL ：0855-75-1211（代表）
URL： https://www.town.shimane-misato.lg.jp/
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