職員によるドローン橋梁点検“君津モデル”で市内の橋の安全を守る

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千葉県君津市建設部道路整備課齋藤優次/三幣亮・企画政策部政策推進課重田友之

近年、ドローンをはじめとした先進技術を活用したまちづくりに注力する君津市で、職員の手で完遂するドローン橋梁点検「君津モデル」が確立された。その全容とノウハウ、ドローンの導入がもたらした成果、そして今後の課題、展望と期待を語っていただいた。

【君津の概要と課題】
河川やダムに227の橋梁インフラ施設の老朽化対策が必須

―まずは君津市について教えてください。

齋藤　房総半島の中央部に位置し、東京駅から高速バスで約60 分という、都心からのアクセスも非常に良いところです。人口約８万2000 人、面積は318.78 平方キロメートルと千葉県で２番目に広い市ですが、土地の65％は森林が占めています。２級河川の小糸川と小櫃川が流れ、それぞれの河川の上流にはダムがありますので、河川やダムにかかる橋梁が227 本にのぼります。中山間部にはトンネルも多いため、インフラ施設の老朽化対策・長寿命化の推進と、そのための予算確保が大きな課題になっています。

―どれくらいの費用がかかるのですか。

齋藤　２m 以上の橋梁やトンネル等のインフラ施設について、2014 年７月１日より国土交通省から５年に一度の近接目視点検が義務付けられているのですが、227 橋もの橋梁を有する当市では、橋梁点検の費用だけでも５年間で１億円を超えていました。当初は外部委託で点検を行っていたのですが、莫大な費用がかかる一方で、一定の基準を超える損傷は把握できても橋梁全体の状況把握が難しい、橋梁点検車という特殊な大型車両を使用するため、幅員の狭い橋梁では通行止めが避けられず市民の利便性を損なってしまう、通行止めに伴う煩雑な業務が発生する等の問題を抱えていました。

― 君津市では今、橋梁点検にドローンを使っていると伺いました。

齋藤　2019 年２月に道路橋定期点検要領が改正され、ドローンを活用した橋梁点検への道が開かれ、そこで、ドローン操縦士の研修を受けた職員からの発案により、ドローン橋梁点検にチャレンジすることになったのです。老朽化対策・長寿命化の推進と同時に、人口減少・少子高齢化による人手不足の深刻化も見込まれるなかで、費用縮減や点検精度の向上も目的としています。

（取材日／2021 年12 月16 日）

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